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家づくりコラム

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「南向きの家は建てるな」という意見は真に受けなくて良い理由

注文住宅で家を建てる時「南向きの家は建てるな」と言われることがあります。しかし実はこの意見は昔の家を基準にしていることが多く、すべてを真に受ける必要はありません。この記事では南向きの家を建ててはいけないと言われる詳しい理由や、その実態を詳しく解説します。ぜひご覧ください。

「南向きの家は建てるな」って本当?
理由が知りたいな。
user05
家をどの方角に向けるべきなのか、悩んでいます。
方角別の特徴が知りたいです。
user06
結論から言うと「南向きの家を建てるな」という意見を真に受ける必要はありません。
本記事でご紹介する方角別の特徴を踏まえて、ハウスメーカーの担当者に相談してみてくださいね。
user01

南向きの家は建てるなと言われる6つの理由

なぜ南向きの家は建てるなと言われているのでしょうか。その理由は主に次の6つです。

・人気があり土地の価格が高い
・プライバシーの観点が気になる
・夏場は室温が高くなりやすい
・日差しの影響を受けやすい
・北側はほとんど日が当たらない
・土地探しに時間がかかる

以下でそれぞれの内容を詳しく解説します。

1.人気があり土地の価格が高い

南に面した土地は日当たりが良く人気があることから、エリアによっては土地の取得費用が高額になる傾向があります。

土地の取得費用が大きくなると、予算オーバーになってしまい建物にこだわれない可能性も。土地の方角も重要な要素ですが、住宅購入の予算総額と内訳をもとに選ぶ必要があります。

工夫次第ではコンパクトな土地でも、豊かに暮らせる家づくりは実現します。例えば、土地が高価なエリアであれば、面積の小さな土地を購入して、3階建てにするといった方法もあります。
土地取得価格を下げる手段はないか、信頼できる専門家に相談することがポイントです。
user01

2.プライバシーの観点が気になる

リビングは日当たりの良い南向きにつくることが一般的です。つまり、南向きの土地に家を建てる場合、リビングが道路に面していることになります。車や人通りが多い道路の場合、外からの視線が気になりかねません。

また、プライバシーだけでなく、防犯性の観点からも配慮が必要です。洗濯物が干しにくい、カーテンが開けにくいなど、いつも周囲に気を遣いながら生活しないといけない可能性があります。

誰かが部屋をじっと見ているわけではありませんが、通行時にちらっと見る人がいる可能性があると、くつろぎにくいですよね。
ただし、この問題は間取りを工夫することで、いくらでも対処できます。
user01

3.夏場は室温が高くなりやすい

南向きの家は日当たりが良すぎるため、夏場に室温が高くなると言われています。例えば、縁側やベランダなど、南に大きな窓を設けると、夜でも熱がこもることも。

の基準でつくられた断熱性の低い家に言えることであり、近年の住宅ではそこまで心配することではありません。

南向きに大きな窓を設けたい場合は、ハウスメーカーの担当者とも相談をして、断熱性を考慮しましょう。

4.日差しの影響を受けやすい

南の窓からの日差しが強いと、部屋の中が眩しくなるだけでなく、内装や家具が傷む原因になります。

直射日光が家具に当たると温度が上がり、材料の木材が乾いてしまいます。紫外線で焼けて、内装や家具の色が変わると、元の色には戻りません。塗装が黄色くなったり、劣化する要因にもなります。

ワックスがけや張り替えなどでメンテナンスは可能です。
近年では遮光レースカーテンなどもあるので、必要に応じて上手に取り入れてみましょう。

ステーツ標準仕様の「Low-eガラス」は、窓ガラス面に金属皮膜が含まれています。これにより、紫外線や赤外線を跳ね返し、Low-eが無い窓に比べて室内の日焼けを少なくできます。
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5.北側はほとんど日が当たらない

真南に家を建てると、北側にほとんど日が当たらなくなります。室内が暗くジメジメしやすくなります。また、北側の外壁に苔が生えたり、結露で汚れたりすることも。外観を損ねることもあるので要注意です。

結露やコケは定期的な清掃が必要です。放置すると、ひび割れや塗装剥がれ、カビ・腐食の原因になります。この問題は定期的なメンテナンスや外壁に使用する素材によって解決できます。

ちなみに、ステーツの住宅では外壁と内壁の間に通気層があり、湿気が溜まらない構造になっています。
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6.土地探しに時間がかかる

南向きの土地は人気があり希少価値が高い傾向にあります。そのため、南向きの土地にこだわり過ぎると、条件に合う土地が中々見つからず、家が完成するまでに時間がかかる可能性があります。

南側の土地だけに限定して土地探しをすると、家ができあがるまでに時間がかかってしまいます。
スムーズに進めるには、色々な選択肢を見てみることも大切ですね。
user01

好条件の土地があれば南向きの家でも大丈夫

「南向きの家を建てるな」と言われていますが、どの方角でも一定のデメリットはあります。方角にはそれぞれ一長一短があり、家を建てるのに完璧な方角などそもそもないからです。

そして、近年では住宅性能が高くなっているため、昔の住宅ほど南向きによるデメリットは多くありません。土地の方位に関わらず、ご自身の理想や予算をもとに希望の住宅が建てられる土地を選びましょう。

理想や予算を満たしているなら、どの方角の家であれ、積極的に購入を検討した方が良いのですね。
user05
はい。実現可能な間取りや立地に満足の行く物件であれば、土地の方角にこだわらなくても大丈夫ですよ。
user01

南向きの家を建てるメリット

南向きに家を建てる主なメリットは以下の通りです。

・1日中日差しが入る
・資産価値が高い
・明るい庭を作れる

以下でそれぞれのメリットを詳しく解説します。

1日を通して日差しが入りやすい

リビングを南に作ることで1日の長い間、明るく開放的な空間で過ごせます。日中外出している方はその恩恵を受けにくいですが、休日などは充実したお家時間を満喫できるでしょう。

また、自宅で過ごす時間の長い、在宅ワークをしている方などには特におすすめです。

南側は日がたくさん入るので、洗濯物も乾きやすいです。
ジメジメしていないので、部屋干しもストレスなくできます。
user05
冬も日差しがたくさん入るので、照明や暖房にかかる光熱費を抑えられて経済的ですね。
user06

資産価値が高い傾向にある

南にある土地は人気があって需要が高いため、資産価値も高い傾向にあります。建物は築年数の経過によって価値が減少するため、20年を経過したあたりから、資産価値はほぼ土地値となります。つまり、土地の価値が低いと資産性はほぼありません。

将来的な売却、子供への相続などを踏まえて、資産価値の高い土地を購入するのも1つの選択肢です。資産価値が高ければ、住み替え時にも資金計画が立てやすくなります。

将来的に売却や住み替えを考えていたので、南向きの家かどうかは妥協できない要素でした。
user05
同じ立地で間取りが変わらなくても、南向きは査定額が異なるケースがあります。詳しくはハウスメーカーの担当者にご相談ください。
user01

家の目の前に明るい庭を作れる

南向きは家の目の前に明るい庭や、日当たりの良い家庭菜園スペースを設計しやすい点がメリットです。

庭でガーデニングや家庭菜園をしたい方は、ぜひ南向きの土地を検討してみましょう。

家の前の駐車スペースと合わせるとさらに広い庭として活用できますね。
user06

南向きの家の間取り事例

南向きの土地のメリットが理解できたところで、ここからは間取り事例をご紹介します。以下はステーツが建築した南向きの家の間取りです。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。

リビングに日差しが入りやすくした間取り

至る所に窓があって、採光が工夫されているのがわかります。
足元の窓はロールスクリーンで隠せるので、テレビを見る時に集中できますね。開放的で子供ものびのび快適に過ごせそうです。
user05
影になるカーポート前を避けて、ずれた位置にメインの採光を持ってきたプランです。
リビングに日差しが入りやすくなっています。
user01

プライバシーを確保した間取り

設けられている窓は比較的、細かくて小さめですが、しっかり光が入ってきていますね。
user06
こちらの事例は真南ではないですが、分譲地という事もあり、プライバシー性を確保して吹抜けから採光を確保した間取りです。
user01

縦長の敷地を活かした間取り

縦長の敷地を活かしてカーポート(駐車位置)からリビングを離すことで、カーポートで影になる事を回避したプランです。
user01

南向きの家を建てる際のポイント

南向きの家を建てる際には、特に以下のポイントに着目しましょう。

・断熱性能
・プライバシー
・日当たりをもとに部屋の用途を決定
・耐久性の高い外壁材の採用
・窓のサイズ

以下でそれぞれの内容を詳しく解説します。

断熱性能にこだわる

断熱性能が高いと、夏場に室内が暑くなり過ぎる状況を回避できます。エアコンが効きやすくなるため、電気代を抑えるうえでも効果的です。一年を通して快適な家になるよう、断熱性能にはこだわりましょう。

断熱性にこだわったおかげで空調の効きも良く、快適に生活できています。
user05
夏場は長期休みで子供が毎日自宅にいるので、エアコンを使う機会が多くて。
そもそも断熱性が高いと、電気代を抑えられるので良いですね。
user06

プライバシーに配慮した間取りにする

土地や家を下見する段階で、人通りや交通量などをチェックしましょう。その際、実際の生活をイメージすることがポイントです。家具の配置や座ったときの目線の高さなど、普段の生活をもとに間取りを考える必要があります。

プライバシーに配慮した間取りにする工夫は色々あります。例えば家と道路の間に、庭や駐車場でスペースを作ったり、フェンスを設置して見えにくくしたりすることで、人目が気になるストレスを抑えられるでしょう。

その他、2階リビングにすることも、プライバシーに配慮した間取りです。
user01
通行人の目線より部屋が高い位置になれば、周りの目を気にせず、リラックスして家族との時間や趣味を楽しめますね。
user05

日当たりをもとに部屋の用途を考える

方角によって日当たりの特徴は異なります。部屋の配置を決める際には、日当たりを基準にするのも良いでしょう。

例えば北向きの部屋は一般的に、光が入らず、暗いイメージがありますが、その特徴を活かすこともできます。

・寝室にする
・趣味部屋にする
・日焼けさせたくない本や家具を置く
・直射日光に弱い観葉植物を育てる

部屋の特徴を活かして、部屋の用途を考えるのがポイントです。
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耐久性の高い外壁材を採用する

南向きは日差しが強いため、外壁が傷みやすい傾向にあります。外壁材の耐久性は、種類によって違うので、耐久性の高い外壁材を採用しましょう。

ただし、完全メンテナンスフリーの外壁材は存在しません。外壁材の耐久性は、平均で10~12年前後。外壁材も住宅のその他の様々な部分と同様に、お手入れが欠かせません。

外壁材は雨・湿気から家を守って、雨漏りやカビ発生を防ぐ役割があります。
どのような外壁材の耐久性が高いかは、ハウスメーカーの担当者に相談してみてくださいね。

ステーツでは変色・褪色(たいしょく)に対応する、30年のメーカー保証付き外壁材の取り扱いもあります。
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採光や通風、デザインのバランスを踏まえて窓のサイズを決める

注文住宅をはじめ、家づくりのプランニングでは、採光や通風・デザインのバランスを踏まえた窓の計画が大切です。

間取りの検討と合わせて、機能性の高い配置位置や外観デザインを考えましょう。

窓のサイズや取り付ける位置によっては、家具のレイアウトにも影響があります。
また、窓の仕様によっては結露を引き起こし、カビなどの原因になることも。
快適な家にするために、窓の知識も深めたいですね。
user01

南向き以外の家の特徴

北・東・西向きの家にはどのような特徴があるのでしょうか。
user05
北・東・西向きの家の一般的な特徴は下表の通りです。
方角ごとの特徴を把握できると、間取りを考える際に目的に合った部屋を配置しやすくなりますよ。
user01

・北向き:最も日が当たりにくく、暗くて冬は寒い。日照時間は夏以外にない
・東向き:朝日が入り、午後にはかげる。日照時間は西向きと同程度
・西向き:朝は日が入らず、午後にかけて日が入る。日照時間は東向きとほぼ同程度

まとめ

家づくりで大切なことは、方角だけではありません。南向きに限らず、どの方角にもメリット・デメリットがあるため、その方角に適した間取りにすることが大切です。

断熱性能やプライバシー、採光・通風・デザインなどの要素を総合的に考えながら、予算を踏まえて計画的に家づくりを進めましょう。

「土地選びから家づくりをトータルでサポートして欲しい」と言った場合は、できるだけ早い段階で専門家に相談するのがおすすめです。

ステーツではプランナーがご家族一人ひとりのお気持ちに寄り添って、お客様が納得いく家づくりをサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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ステーツ暮らしのアドバイザー
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