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家づくりコラム

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狭小住宅の間取り実例4選!限られた面積で理想の住宅を建てる方法

土地代が高い都心部では、土地を購入するだけでも一苦労です。しかしそれでも、利便性の高い都心エリアで家を設けたいと考える人は多いのではないでしょうか?

本記事では、限られた土地面積を活用して建てられることが多い「狭小住宅」での家づくりについて、理想の間取りを実現する方法を解説します。ぜひご覧ください。

狭小住宅の間取りを考えるポイント

狭小住宅の間取りを考える際は、まず狭小住宅の特徴を理解する必要があります。限られた面積で効率的な生活空間を実現するための工夫が求められるからです。

例えば、日当たり・通風の確保や、限られたスペースを最大限に活用する収納の配置などが狭小住宅では欠かせません。また、家事動線やプライバシーの確保など、狭小住宅ならではの課題に対応する必要もあります。

これらのポイントを踏まえて間取りを考えることで、より機能的な住空間の実現が可能です。

以下ではまず、狭小住宅の間取りを考える際のポイントを紹介します。

日当たり

狭小住宅の間取りを考える際に重要なポイントの一つは、日当たりです。

一般的に南向きの部屋は、昼間の長い時間日光が差し込むため、日当たりが良いと考えられています。ただし、南側に近隣住宅があると、日当たりが悪くなります。従って、家を建てる場所を決める段階から、近隣の建物との位置関係を考慮することがポイントです。

また、周囲の建物や道路との距離を考慮し、プライバシーを確保する工夫も欠かせません。天窓や吹き抜けを設けることで、光を取り入れつつ、プライバシーを保てます。さらに、2階をリビングにすると、隣家や道路からの視線を気にせず、プライバシーを確保できます。

収納スペース

収納スペースも狭小住宅の間取りにおいて重要な要素です。

スキップフロア(1つの階層に複数の高さのフロアが設けられた間取り)やロフト(屋根裏部屋)を活用することで、生活スペースを減らすことなく収納スペースを確保できます。

例えば、2階の上の屋根裏部分などをロフトとして利用すれば、季節用品や書類などをすっきり整理できます。

駐車スペース

土地が小さい場合の狭小住宅は駐車スペースが限られていることがあります。このような場合、ビルトインガレージを設けるのが一般的です。

ビルトインガレージとは、車庫を建物の一部に組み込み、シャッターやドアを設置したクローズドタイプのガレージのことです。

土地の広さに余裕がない場合でも車庫を設置できるため、土地を有効活用できます。

家事動線

キッチンや洗濯室など、家事を行う場所の配置が悪いと不便になります。特に狭小住宅は3階建てにすることも多いため、配置を誤ると頻繁に階段を上り下りしなければならないことも。

洗濯が終わった後に干す場所への移動や、洗濯物を収納する部屋までの移動など、無駄のない配置を心がけることが重要です。収納スペースを配置する際には、生活の動線を考慮しましょう。

不要な廊下を無くす

不要な廊下を無くし、床面積を最大限に活用することも、狭小住宅の間取りを考える上で重要なポイントです。

例えば、トイレや浴室に行くだけの廊下を作るのではなく、LDKから直接水回りに行ける動線にすることで、廊下スペースを削減できます。

狭小住宅の間取り実例4選

以下ではステーツの狭小住宅の間取り実例をご紹介します。

約30坪の延床面積で5人住まいの家

1階はLK(リビングキッチン)を中心に配置し、オープンな間取りで家族が過ごしやすい場所になっています。キッチンとリビングエリアとの繋がりを持たせ、料理中でも家族とのコミュニケーションが取りやすい間取りにしました。

トイレは階段付近に配置し、プライバシーを確保しながらスペースも有効活用して無駄を省いている点も特徴的です。

2階には子供部屋を3つ配置。収納スペースは壁面を活用して設け、家具や日常の用品を収納できるようにしました。コンパクトながらも機能的なレイアウトで、家族の成長や変化に柔軟に対応できるようにした実例です。

空間を縦に使う家

狭小地を最大限に活用した、2階建ての間取りです。延床28.42坪でありながらも、屋根裏空間を作ることで、広々とした住空間を実現しました。

1階はLDKを中心に配置し、オープンな間取りを採用。階段裏に収納スペースを設けることで、限られたスペースを有効活用しています。

2階には寝室や子供部屋や寝室、書斎を配置。テレワークにも対応できる間取りになっています。

屋根裏部屋は、書斎や収納スペースとして利用できます。狭小な敷地でも空間を縦に使うことで、快適な住空間を実現しました。

3LDK4人住まいの平屋

3LDKの間取りで4人家族に適した平屋の間取りです。前面道路側に駐車場や玄関があるため、リビングのプライバシーが確保されている点が特徴的です。

吹抜けがあることで、開放感があり、空間がより広く感じられます。寝室は3つあり、3〜4人家族に適しています。

ウォークインクローゼットやシューズクロークもあるため、荷物の多い家庭でも安心です。

敷地面積に対して豊富な延床面積を実現した3階建ての間取り

敷地面積46.81坪にもかかわらず、延床面積49.51坪を実現し、インナーガレージも備えた理想的な住空間の実例です。

本来46坪の土地面積で49坪もの延床面積と駐車場を確保するのは、非常に難易度が高いです。しかし、ステーツでは、限られた土地面積ながらも3階建てにし、インナーガレージを設けることで、延床49坪+駐車場付きの住宅を実現しました。

玄関付近にはインナーガレージを配置。シューズクロークや収納なども完備しているので、日常の小物や季節の衣類をすっきり収納できます。

2階にはリビングをメインとした生活空間を配置。リビングは広々とした空間で、家族が集まってくつろぐのに最適です。

キッチンはリビングに隣接し、家事をしながら家族とのコミュニケーションを楽しめます。

3階には子供部屋や寝室を配置。家族それぞれのプライバシーを確保しやすい間取りとなっています。

狭小住宅の間取り作りのコツ

狭小住宅は、限られた敷地に家を建てるため、広さや収納について気になる点が多いかもしれません。しかし、少しの工夫で、狭さを感じさせない快適な住環境を実現できます。ここでは、その狭小住宅の間取りのポイントをご紹介します。

部屋を細かく仕切らない

狭小住宅の間取り作りのコツは、部屋を細かく仕切らずにオープンな空間を作ることです。

仕切り壁やドアによって、部屋が分断されると、空間が狭く見え、閉鎖的な雰囲気になるからです。居住空間全体が窮屈に感じられると、快適さを損なう可能性があります。

また、細かく仕切られた部屋は、日常生活の動線が不便になることも。例えば、リビングとキッチンが別々の部屋になっていると、料理をしている間に家族とのコミュニケーションが取りにくくなります。家事をする際に部屋を行き来する手間も増えるため、非効率的です。

狭小住宅では壁や仕切りを極力減らし、コンパクトでも広く感じる空間を実現することが大切です。

縦の空間を意識する

狭小住宅では縦の空間を意識することが重要です。狭小住宅は面積が限られているため、空間を上手に使わなければ快適な家を作れません。

例えば、天井を高くすることで開放感を演出する、ロフトを設けて収納スペースを確保するなどを検討しましょう。

また、狭小地で家を建てる場合では3階建てや屋上などの活用を考えることも重要です。例えば、屋上を庭やテラスにする、植木鉢やプランターを置いて、ガーデニングスペースにするなど有効活用することで、多様な生活空間を実現できます。

このように、縦の空間を意識し、3階建てや屋上の活用を考えると、狭小住宅でも快適な生活空間を実現できます。

透明・半透明の素材を用いる

明るく開放的な雰囲気を作るために、透明や半透明の素材を活用することが有効です。また、仕切りや手すりなどに透明素材を使用することで、視覚的な広がりを感じることができます。

例えば、ガラスやアクリルパネルを使用することで、光が良く入り込み、空間が明るくなります。また、仕切りや手すりなどに透明素材のパネルを使用すると、視覚的な広がりを感じられます。

機能性だけでなく、デザイン性を向上させ、モダンで洗練された外観を演出可能です。

階段にもこだわる

狭小住宅では、階段の選択が重要です。コの字型階段と比べるとストレートの階段は面積が節約されます。
また、箱型階段は下部を収納に利用できます。さらにスチールやアルミのオープン型は視覚的な開放感があり、デザイン性も高い点がメリットです。

これらの階段を用いると、狭小住宅であってもスペースを有効活用しながら快適な家づくりができます。

造作家具で収納力を上げる

狭小住宅では、収納スペースを有効活用することが重要です。壁面や階段下などのデッドスペースを活用して造作家具を設置することで、収納力を上げることができます。

造作家具とは、工務店やデザイン事務所などに家具制作を依頼し、壁に直接取り付ける家具のことです。 別名「オーダーメイド家具」や「作り付け家具」とも呼ばれます。

このような造作家具を使うと、限られたスペースを最大限に活用し、すっきりとした生活空間を実現できます。

デッドスペースを活用する

狭小住宅では、階段下や壁面、天井までの空間などのデッドスペースを有効活用することで、無駄のない住環境が実現できます。

例えば、階段下にトイレや収納スペースを設置する、壁面にフックを取り付けてつるす収納を増やすことなどがアイディアとして挙げられます。

また、デッドスペースには造作家具を設置することで、機能的な収納スペースを確保できます。

間取りを考える段階で、デッドスペースを有効活用できないか、ハウスメーカーの担当者と検討してみましょう。

優先順位を明確にする

狭小住宅の間取りを考える際には、優先順位を明確にすることが重要です。限られたスペースを有効活用するには、全ての要素を盛り込むことはできません。何が必要で、何が不要か取捨選択する必要があるのです。

例えば、家族の生活スタイルやニーズに合わせて、リビングやキッチンなどの共用スペースに重点を置くか、寝室や書斎などの個室スペースに重点を置くかを考えましょう。明確な優先順位を設定することで、満足のいく間取りになります。

狭小住宅のメリット

狭小住宅にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では主なメリットを解説します。

人気エリアでも比較的安く土地を取得できる

前提として狭小住宅は必ずしも狭小地とは限りません。大きな土地に狭小住宅を建築するケースもあるからです。

従って、あくまでも狭小地に狭小住宅を建てる場合であれば、人気エリアでも手頃な価格で土地を取得できると理解しましょう。好立地に住宅を建てると、通勤・通学など生活の利便性が高まります。

また、狭小地に多い旗竿の形をした敷地延長と呼ばれる土地や、台形の形をした不整形地などは、正方形や長方形の土地よりも土地の価格自体が安い傾向にあります。

固定資産税や都市計画税が抑えられる

狭小住宅は固定資産税や都市計画税が抑えられるメリットがあります。

固定資産税や都市計画税は土地や建物の評価額に基づいて課税されます。狭小住宅は一般的に面積が小さいため、評価額も比例して低くなるのです。

毎年課税される固定資産税や都市計画税が抑えられるのは、長期的に見ても大きなメリットです。

デザイン性に凝った個性的な建物にできる

狭小住宅は限られたスペースの中で工夫を凝らすことで、個性的なデザインを生み出せる点がメリットです。

例えば、吹き抜けや2階の上に設置する小屋裏、外の空間を有効的に活用したバルコニーなどは狭小住宅に代表される個性的なデザインです。

狭小住宅でデザイン性に凝った個性的な建物にするには創造性と柔軟性が求められますが、その分ユニークで魅力的な住まいを実現できます。

土地が広い場合は大きな庭を確保できる

広い土地にあえて小さな建物を建てることで、大きな庭を確保できるメリットもあります。

アウトドアが好きな方のなかには、広々とした庭を確保したいという方もいるでしょう。そのような方は、あえて狭小住宅を建てる選択肢もあります。これにより自宅にいながらBBQやドッグランなどを楽しめます。

狭小住宅のデメリット

狭小住宅にはメリットだけでなく、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるか、以下では主な点を解説します。

階段の上り下りが増える

デメリットとしてまず、階段の上り下りが増えるという点が挙げられます。

例えば、3階建ての狭小住宅では、階段を上り下りする回数が2階建てよりも多くなります。年齢を重ねると階段の移動が負担になるため、将来的なことも考えて間取りを決めなければなりません。

また、階段を設置するためのスペースも必要となるので、間取りの制約も生じます。うまく空間をデザインできないと、階段のスペースを確保するために、リビングや寝室などの居室スペースが犠牲になることがあります。

吹き抜けにすると冷暖房の効率が下がる

開放的な空間を求めて吹抜けを計画すると、冷暖房の効率が下がる点もデメリットです。吹き抜けを設けると、暖房時に暖かい空気が上に逃げてしまうためです。

例えば、狭小住宅で吹き抜けを設ける場合、吹き抜けの空間を減らすことで、暖房の効率が改善される可能性があります。また、吹抜けに空気を循環させるシーリングファンを設置すると、冷暖房の効率を上げることが可能です。

反対に延べ面積が小さいからこそ吹抜けにすることで、家の中の温度を均一に近づけられます。

日当たりや通風が悪くなる傾向にある

日当たりや通風が悪くなる傾向にある点もデメリットです。

例えば周囲に高い建物があると、日光が遮られ、室内の日当たりが不十分になる可能性があります。また、建物が密集している場合は、通風が十分に確保されません。結果として、室内の空気が滞りやすくなります。

このような問題を解決するには、家を建てる前の段階で周辺環境を確認することが重要です。また、建物の配置や窓の位置などを工夫することも有効でしょう。

建築コストが割高になる可能性がある

狭小住宅は建築コストが割高になる可能性がある点にも注意が必要です。

狭小住宅では限られた敷地面積を有効活用するため、多階建てや屋根裏等のデッドスペースの利用などの工夫が必要です。これに伴い、建築に必要な材料費が増加する傾向にあります。

その他、近隣住宅との距離が近い場合、通常の足場を設置できない可能性があり、それに伴う追加コストが発生します。

さらに、資材を置く場所が確保できない場合、別途資材置き場を確保しなければなりません。道幅が極端に狭いと、工事車両が家の前まで入れず、資材の運搬が円滑に行われないことがあります。

このように通常の住宅建築に比べて、狭小住宅は搬入コストや人件費などの余分な費用がかかりやすいことも、建築コストが割高になる理由の一つです。

家具や趣味道具などの取捨選択が必要

家具や趣味道具などの取捨選択が必要な点もデメリットの一つです。狭小住宅で収納をたくさん作るとしても、限度があるため、家に残す物を取捨選択しなければいけません。

例えば、大型の家具や収納スペースを必要とする趣味道具などは、必要なものを選んで残す必要があります。このように、所有物の量や種類に制限をかけなければいけない点に注意しましょう。

理想の狭小住宅を建てる方法

理想の狭小住宅を建てるには、どのような方法を用いれば良いのでしょうか。以下で特に押さえておきたい方法を解説します。

ライフプラン・ライフステージをもとに間取りを考える

理想の狭小住宅を建てるには、まずはご自身・ご家族のライフプランやライフステージを考慮することが重要です。

例えば、子供が巣立った後、子供部屋は必要なくなります。そのまま放置するのも一つの選択肢ですが、スペースを有効活用したいと考える方は多いでしょう。

将来の老後もマイホームで充実した生活を送るために、子供が巣立った後、どのように部屋を使用する予定があるか、部屋の使い道を予め考えてみてください。

本棚を壁際に配置して書斎のようにしたり、プロジェクターとスクリーンを備えてプライベートシアターを作ったりするのも素敵なアイデアです。

その他、物を残す取捨選択のデメリットを避けるために、マイホームを設計する段階からまず持ち物を減らすことも効果的。マイホームづくりをきっかけに、スッキリした空間で暮らすライフスタイルに変えてみてはいかがでしょうか。

家族の生活スタイルや将来の計画に合った間取りを考えて、長く快適に過ごせる理想の住まいを手に入れましょう。

モデルハウスや完成見学会で実物を見る

実際の住宅を見ることで、間取りやレイアウトのイメージが具体化し、自身の好みやニーズに合った住まいを選べます。

間取り図やパースだけではなかなか想像がつかない部分も、実際に建物内部を歩いてみることでよりリアルな感覚で把握できるでしょう。部屋の広さや配置、光の差し込み具合など、実際に目で確認することで、理想の住まいかどうかを判断できます。

また、モデルハウスや完成見学会では、内装や設備の品質も実際に確認可能です。素材や仕上げの質感、設備機器の性能などを目で見て触れることで、建物の品質や耐久性を判断できます。

狭小住宅の実績が豊富なハウスメーカーに相談する

狭小住宅の実績が豊富なハウスメーカーへの相談も有効です。豊富な経験とノウハウを持つハウスメーカーのアドバイスを受ければ、理想の注文住宅を実現するヒントやアイデアを得られます。

また、狭小住宅の実績が豊富なハウスメーカーは多くの場合、地域の土地事情や法規制にも精通しています。建築基準や都市計画などの規制に適合したプランの提案や、土地の特性に合わせた施工方法が可能です。

まとめ

狭小住宅であっても、間取りや造作棚などを工夫することで、スペースを最大限に活かした家づくりが可能です。

今回紹介した間取り作りのコツやメリット、デメリットを参考に、家族が長く笑顔で過ごす住環境を目指してみてください。狭小住宅の注文住宅は、専門的な視点からアドバイスを得ることで、より良いアイディアを得られます。ご検討の際には、モデルハウスや完成見学会を実際に訪れたり、実績が豊富なハウスメーカーに相談したりして情報を収集しましょう。

ステーツではプランナーがご家族一人ひとりのお気持ちに寄り添って、納得いくまで新築マイホームのプランをご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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ステーツ暮らしのアドバイザー
一級建築士や一級施工管理技士、インテリアコーディネーターなどのステーツの専門家が、家づくりにまつわるお役立ち情報や、みなさまの不安・疑問にお応えします。 注文住宅に数多く関わらせていただいた専門家の視点で、実際のステーツの事例とともに、家づくりに関するアドバイスをご紹介します。