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家づくりコラム

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インナーガレージハウスとは?メリットやデメリット一戸建ての施工事例をくわしく紹介

注文住宅のガレージハウス

注文住宅で家づくりをする際、愛車を守るためにもガレージについてもこだわりをお持ちの方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ガレージ内から出る騒音や雨や雪の吹き込みを防ぎ、生活の利便性も考えたインナーガレージハウスのつくり方と施工事例をご紹介いたします。

インナーガレージハウスとは?

ガレージハウスの内部

インナーガレージハウスとは、住宅とガレージが一体となった近年需要が高まっている建築スタイルのことです。普通は家と車置き場(ガレージ)が分かれていますが、この建築スタイルでは家と車置き場が一体になっており、ガレージ部分については「ビルトインガレージ」や「インナーガレージ」と呼ばれています。

特徴的なポイントは、ただ車をしまうだけでなく、フリースペースとしても使えるところです。そのため、車が好きな人だけでなく、DIYが好きな人にとっても、とても便利な場所となるでしょう。

外見についても、多くの場合、家の部分とガレージがひとつのデザインとして成り立っています。

インナーガレージハウスのメリット4選

ここでは、インナーガレージハウスのメリットを4つご紹介します。

メリット1:車を雪や雨風から守ることができる

インナーガレージハウスのメリットは、雨や雪、日差しや風から車をしっかりと守ってくれることです。普通の家だと家と車庫が分かれていて、車は外に置かれることが多いです。しかしインナーガレージハウスでは、住宅と車庫が一緒になっているので、車を常に1階部分に入れておけます。

このおかげで、悪い天気や外の条件で車が極端に傷んでしまうことがありません。車が外に完全には出しっぱなしにならないので、色や形も長持ちして修理する回数も減るでしょう。

メリット2:車の乗り降りの負担が楽になる

ガレージスペースと家が一体化しているインナーガレージハウスでは、車から降りるときに雨や雪に濡れる心配がありません

車と家がぴったり繋がっているので、雨の日でもスムーズに車から家に入れて、快適な移動ができます。それだけでなく、家とガレージが一体化しているので、大きな荷物を運んだり、赤ちゃんや小さい子供、お年寄りの方々の乗り降りもずっと楽になります。

この便利な配置によって日常の動きがストレスなく、家族全員が気持ちよく過ごせるでしょう。

メリット3:車の防犯・盗難対策になる

インナーガレージハウスのメリットのひとつは、車やバイクを盗難や損傷からもしっかり守ってくれることです。

インナーガレージハウスでは、ガレージが家の1階に組み込まれているため、車が家の中に収納されています。シャッターを閉めれば外部からの侵入を防ぐことができるのも、防犯を強化できるポイントのひとつです。

車が盗まれたり傷付けられたりする心配を大幅に減らし、安心して日常生活を送ることができるのも、インナーガレージハウスならではの魅力でしょう。

メリット4:趣味のスペースとして使える

インナーガレージハウスのメリットのひとつは、ガレージスペースが趣味のスペースとして活用できることです。

この建築スタイルでは、家と車庫が一体化していて、ガレージが単なる駐車場ではなく趣味のフリースペースとしても利用できます。たとえば、車以外にも、DIYや修理の場所として使ったり、物をしまっておくスペースやトレーニングエリア、遊び場として使ったりすることもできるでしょう。

このように、個々の趣味やニーズに合わせてスペースを使い分けることで、生活の幅が広がります。ガレージスペースが単なる車の置き場所ではなく、趣味のスペースなどとして使えるのは、インナーガレージハウスの大きな魅力のひとつです。

インナーガレージハウスのデメリット3選

ここでは、インナーガレージハウスのデメリットをご紹介します。

デメリット1:建築費用が高くなりがち

インナーガレージハウスのデメリットは、普通の家よりも建てるのにお金がかかりやすいことです。なぜなら、車を置くスペースを追加するだけでなく、シャッターや特別な設備も必要になるためです。

住宅とガレージを一緒に作るには、構造や設備に対して通常の家よりもきびしい基準があり、それが建築費用がかさむ原因となります。とはいえ、高い費用がかかる一方で、便利で快適といったメリットもあるのがインナーガレージハウスです。

家づくりをする際には、予算とメリットをバランスよく考えてじっくりと検討しましょう。

デメリット2:1階の間取りが制限される

インナーガレージハウスの難しい点は、車を収納するためのガレージスペースが1階の間取りに影響をあたえてしまうことです。

狭い敷地では1階の部屋の配置が制限され、リビングやキッチンの広さが限られてしまう可能性があります。この問題を解消するためには、2階にリビングやキッチンを配置するなど、工夫が必要です。

また、ガレージスペースの分だけ窓を設置できる場所が減ってしまうため、1階が暗くなってしまったり、通気性が悪くなる可能性があります。しかしこれらの問題は、家の設計を工夫することによって解決できるでしょう。

インナーガレージハウスの家をつくる時には、家族の要望やライフスタイルに合わせて最適なプランを考えていくことが大切です。

デメリット3:土地の広さや制約に注意する必要がある

インナーガレージハウスのデメリットのひとつは、ある程度広い土地が必要なこと。です。車庫と住宅が一緒になっているため、そもそもの敷地が狭いと、建てるのがむずかしいでしょう。

土地の形や地域のルールも気にしないといけません。土地が変わった形だったり地域の建築の決まりごとに違反したりすると、インナーガレージハウスを建てられない可能性もあります。

そのため、家を建てる前には事前に土地の形や条件、ルールをよく確認してから計画するようにしましょう。

インナーガレージハウスをつくる際のポイント3選

ここでは、インナーガレージハウスをつくる際のポイントを3つご紹介します。

ポイント1:車から降りたあとの動線を考える

インナーガレージハウスを作る際の重要なポイントは、「車から降りて家に入るまでの動線を考える」ことです。たとえば、玄関の位置や階段、ドアの配置を工夫すれば、雨の日や荷物を持っているときでも、スムーズに家へ入れるでしょう。

このように工夫をこらすことで、住んでいる家族が日常生活をストレスなく過ごせるだけでなく、友人や知人が気持ちよく訪れることができるようになります。

ポイント2:排気ガスや音の対策をする

インナーガレージハウスを作るときの大切なポイントのひとつは「車から出る排気ガスや音の対策」です。車を家に入れると、エンジンのガスや騒音が気になることがあるため、それらを防ぐ工夫が必要となります。

たとえば、換気システムを付けて新しい空気を入れたり、排気ガスを外に出したりといった仕組みをつけるのがおすすめです。また、遮音材や断熱材を使って、騒音を減らすことも重要となります。

インナーガレージハウスを快適な家にするために、排気ガスや音の対策もしっかりと行いましょう。

ポイント3:将来を考えてきちんと設計する

インナーガレージハウスを作るときの大事なポイントのひとつは「将来を考えてきちんと計画する」ことです。家族や生活スタイルは将来にわたる長い時間の中で変化する可能性があるため、インナーガレージを含めた家の構造は、しっかりと検討して決めなければいけません。

たとえば、段差のないバリアフリーな作りを意識すると、年を重ねたときや身体が不自由になったときでも快適な生活が送れるでしょう。ほかにも部屋の使い方や階段、ガレージの大きさなどについて、将来の変化に合わせた設計をおこなうことをおすすめします。

自分で建てたインナーガレージハウスがいつまでも心地良い場所になるよう、未来を見据えた設計をすることが大切です。

インナーガレージハウスの一戸建て施工事例を4つ紹介

ここでは、一戸建てのインナーガレージハウスの施行事例をくわしくご紹介いたします。

事例1:中庭とつながる和モダンのインナーガレージハウス

家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:58.91坪
ガレージの広さ:7.52坪

こちらは、和モダンな外観のインナーガレージハウスです。施主様のご要望で、一戸建ての建物のデザインと一体となったガレージをつくりました。

完全に囲われたガレージではなくてもいいということだったので、中庭にほどよい目隠しをしつつ、玄関から中庭へのアクセスもしやすくしています。
user01
インナーガレージハウスといえば密閉された車庫をイメージしていましたが、こちらは庭とのつながりもあって開放的な感じなんですね。セキュリティ重視の閉ざされたガレージではなくて、家と外の中間的な空間もすてきです。
user03
完全な屋内ではありませんが、カーポートよりも車が保護されています。ステーツでは使い方や予算にあわせて、シャッターをつけるかどうか選んでいただいています。
user01

和モダンのデザインを生かした下屋つながりのガレージ

車庫部分の屋根は母屋から張り出すように作られた下屋と呼ばれる形で、和モダンのデザインで統一しました。また、片流れの屋根の軒下には印象的な水平ラインがあり、外観のアクセントになっています。黒いシックな外観と、植栽の緑が自然に調和するナチュラルなガレージハウスです。
user01
黒い外観のインナーガレージハウスだと威圧感が出そうですが、緑があることでやさしい印象ですね。
user06

ゆとりのある1階部分の間取り

ガレージハウスの1階の間取り図
間取りについては、1階にLDKとお風呂、ランドリールームなどの水回りを設置しました。敷地面積が足りないと、車庫スペースに場所を取られてしまって1階にLDKと水回りを配置できない場合もありますが、こちらの家では同じフロアに配置できています。

また、家事動線をよくするため、水回りの配置にも配慮しました。
user01
敷地面積が狭いと、車庫スペースが他の間取りに影響することもあるんですね。
user03

ガレージとつながる玄関

雨に濡れずに玄関に入りたいというご要望もあり、ガレージから玄関に入れるように設計しました。玄関へのアプローチの一部がガレージになっています。玄関の扉の横に外部収納スペースの扉もつくりました。
user01
車庫がオープンなので、こういった形で外部収納があると物が隠せるのでいいですね。また、玄関も車庫からすぐにアクセスできるので、買い物した荷物もすぐ家に運べるのも魅力的です。
user06

車庫から中庭へのつながりもあり、その先にはウッドデッキとリビングがあります。

庭とつながっているので、子供の遊び場にもなりそうですね。
user03

事例02:シャッター付きで安心のガレージハウス

家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:54.59坪
ガレージの広さ:9.58坪

この家は、シャッター付きで雨風の吹き込みから車を守れるインナーガレージハウスです。ガレージ内の駐車スペースは2台分の最低限の大きさでつくりました。
user01

家事と生活を考えた間取りと動線

ガレージハウスの2階の間取り図
こちらでは、ガレージから室内への動線をふたつ用意しました。まずひとつめの動線は、ガレージ側から玄関に入る動線です。シューズクロークを通る家族動線で、正面から入る来客動線と分けることができます。

さらにふたつめの動線は、買い物した荷物をすぐ運べるように勝手口を設け、キッチンへの直通動線も確保しています。
user01
ガレージからキッチンに直接入れる動線は良いですね。荷物を運ぶ負担が減って、かなり楽になりそうです。車を車庫に入れた後は、シャッターを閉めてそのまま家に入れるのも便利ですね。
user03

ガレージの中の様子

左の扉はシューズクロークにつながる玄関の動線で、右の扉はキッチンにつながる家事動線になっています。真ん中の入り口は外部収納です。
user01
キッチンへ直通の入り口は車の後ろ側なので、トランクを開けてすぐ運べる位置関係ですね。車庫内に外部収納があるのも使いやすそうです。
user06

自動で閉まる電動シャッター

こちらのシャッターは、電動のオーバースライダー方式のものを採用しています。
このタイプのシャッターのメリットは「意匠性が高い」「開閉時の音が比較的静か」といった点が挙げられます。

一方、デメリットとしては「巻き取り式のものよりも導入費用は高くなる」「天井の照明取り付けスペースが限定される」といったことがあります。巻き取り式のシャッターは手動タイプもあるので、使い方や予算で選ぶことも可能です。
user01
シャッターも色々な種類があるのですね。
user03
そうですね。車庫としての機能性を重視するのであれば、こちらの事例のようなガレージハウスがおすすめです。
user01

事例3:趣味と実用性を兼ねたインナーガレージハウス

家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:79.52坪
ガレージの広さ:14.69坪

こちらの事例は、おうち時間を楽しめる趣味と実用性を備えたインナーガレージハウスです。3階建てなので、生活がしやすいようにエレベーターも設置しました。

車庫のある1階は、縦に2台駐車できる駐車スペースと、その横に設置された多目的に使えるラウンジスペースとピロティになっています。1階を車や趣味のスペースにし、居住機能は2階と3階に割り振ったので、生活しやすいようにエレベーターを設置しました。
user01
ガレージハウスの1階の間取り図 ガレージハウスの2階の間取り図
1階全部が自由に使えるのは贅沢ですね。すごく羨ましいです。このような3階建てのガレージハウスもあるんですね。
user06
そうですね。敷地面積が小さい場合は、居住空間を確保するために3階までつくることもあります。
user01

縦並びの車庫スペース

ガレージハウスの車庫の内部
縦に駐車する車庫スペースです。2台分の駐車スペースが欲しいのに並列で駐車できない場合はこのような配置もご提案しています。また、右側にある空間にタイヤや除雪道具なども置けるようにしました。

こちらの物件は雪国にあるため、雪に対する備えも必要でした。そのため除雪道具なども片付けることができるよう設計しています。
user01
ガレージだけではなく、倉庫のような役割も果たしてくれそうですね。
user03

多目的に使えるラウンジスペース

車庫スペースの横には土間のラウンジスペースを設置しています。雪国にお住まいの施主様の要望で、冬場も屋内でおうち時間を楽しめる空間をつくりました。車庫に車が停まっていてもガレージ内で過ごせるようになっています。
user01
これだけの広さがあれば、いろいろなことに使えますね。
user06
反対側の壁面です。ここから玄関に入ることができます。
user01
壁面の有孔ボードに道具や好きな物をディスプレイしながら収納できるのもいいですね。毎日帰宅時に眺めてしまいそうです。
user03
裏側にピロティ空間があり、そちらでは使用頻度が低い物を収納することもできます。ディスプレイスペースと普段使いの場所を分けることで、整った印象を与えることができるようにしました。またピロティ空間には給湯器などがあり、この空間は、雪の多い地域の積雪対策としても使われています。
user01

玄関とエレベーターホール

1階の玄関スペースです。階段とは別でエレベーターも設置しています。小型のホームエレベーターなので小さいですが、買い物などの荷物を運ぶ時に便利です。このようにエレベーターを設置している事例はめずらしいですが、バリアフリーのため老後も安心して暮らすことができます。
user01
ガレージだけではなく、趣味や収納としても完璧に対策された理想のガレージハウスですね。
user06

事例04:45.4坪のコンパクトな敷地に建つガレージハウス

家族構成:夫婦+子供2人
敷地面積:45.40坪
ガレージの広さ:5.01坪

こちらの事例は、限られた敷地面積で設計したガレージハウスの事例です。建物一体型の駐車スペースは1台分とし、屋根なしの駐車スペースを別途2台分用意しました。

また、施主様の要望で、奥様が普段使われる車をインナーガレージに停められるよう車1台分のスペースで設計しています。奥様とお子さんが快適に乗り降りしやすくすることを優先して考えました。
user01
家族思いの設計がすてきです。すべての車をインナーガレージにいれるのは予算が合わない場合、1台分だけで考えることもできるのはうれしいですね。
user03

ガレージと居住空間のバランスを考えた間取り

ガレージハウスの1階の間取り図
この家では駐車スペースを1台分にすることで、ゆとりのあるLDKとお風呂などの水回りを1階に配置することができました。

生活や家事の動線を考えると、LDKと水回りをワンフロアに配置したほうが家事の負担が減り、生活もしやすくなります。駐車スペースを1台分にすることで、1階の居住スペースが削られてしまうガレージハウスのデメリットを最小限に抑えられています。
user01
室内への入り口も玄関ひとつだけですが、この間取りであればキッチンもそんなに遠くないので不便ではなさそうですね。
user06

アプローチを兼ねた車庫スペース

車庫スペースは完全に仕切らず、建物と一体化した屋根付きのアプローチとして設計しました。背面に出入り口も開けてあるので、採光や風通しがよくなっています。

こちらはカーポートより壁面が多いので、車が守られますが、シャッター付きのインナーガレージよりは雨風にさらされる可能性があります。
user01
車好きの方であれば完全な屋内がいいと思います。しかし、私の場合、シャッターがあると毎回開け閉めが負担になってしまいそうです。利便性とコストを考えると我が家はこのタイプで十分かもしれません。
user03

実用性とデザイン性も考えた壁面

インナーガレージスペースの側面の壁は建物とは別で取り付けました。壁を2階のバルコニースペースまで伸ばすことで、通りからの目隠しの役割も果たしています。

また、ガレージ部分の2階はバルコニーとして活用可能です。ガレージ上部スペースの活用方法はいろいろ考えることができますよ。
user01
結構広さがあるので、外部スペースですが多目的に使えそうですね。家族の利便性のためのガレージハウスであれば、優先度をしぼって1台分だけにするのも良いかなと思いました。
user06

まとめ

インナーガレージハウスとは、住宅と車庫が一体となり、車を1階部分に収納することで様々なメリットが得られる建築スタイルです。一方でデメリットもいくつかあるため、きちんと将来を見据えて設計をしなければいけません。

今回は、目的や使い方が異なる4つのインナーガレージハウスの事例をご紹介させていただきました。ステーツでは、これらの事例以外にも施主様の要望に合わせた様々なタイプのガレージハウスをご提案しています。予算や土地、ご家族の要望やライフスタイルのバランスを見ながらプランニングいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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ステーツ暮らしのアドバイザー
一級建築士や一級施工管理技士、インテリアコーディネーターなどのステーツの専門家が、家づくりにまつわるお役立ち情報や、みなさまの不安・疑問にお応えします。 注文住宅に数多く関わらせていただいた専門家の視点で、実際のステーツの事例とともに、家づくりに関するアドバイスをご紹介します。