
本記事では、新潟の気候に合った平屋住宅のメリット・デメリットをはじめ、冬を快適に過ごすための設計ポイントや注意点、間取り事例を解説します。雪国でも安心して住める新築戸建ての注文住宅や平屋に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 新潟で平屋を建てるメリット
- バリアフリーで将来も安心
- 冬場の階段移動が不要
- 除雪の負担を軽減できる設計も可能
- 新潟で平屋を建てるデメリット
- 豪雪地域では雪下ろし・雪害対策が必要
- 広い土地が必要
- 新潟で平屋を建てる際の設計ポイント
- 屋根形状:雪を落とさない屋根で雪の処理を考慮
- 玄関まわり:風除室や玄関ポーチの工夫
- 断熱性・気密性:高気密高断熱仕様、樹脂サッシ、トリプルガラスなどの設置
- 床暖房・エアコン:暖房方式にもこだわると快適性UP
- 収納:冬用衣類や除雪道具の収納を考えた動線設計
- 新潟で平屋を建てる際の注意点
- 雪が落ちる場所の配慮不足で玄関前が埋まる
- カーポートの設計ミスで車の出し入れが不便になる
- 冷気が入りやすい箇所への対策
- 外構(除雪動線・通路)が設計段階で不十分
- 施工事例と間取り
- 事例01
- 事例02
- まとめ
新潟で平屋を建てるメリット

新潟の気候や暮らしに合った平屋住宅の、代表的なメリットを紹介します。
バリアフリーで将来も安心
新潟のように積雪の多い地域では、冬になると外から雪や水分が室内に入り込み、玄関や廊下の床が濡れて滑りやすくなるケースがあります。
その点、平屋住宅は階段がない構造のため、2階建てや3階建てと比較して、つまずきや転倒のリスクを最小限に抑えられます。また、1つのフロアで各部屋を効率良く行き来できる動線を実現しやすい点も平屋のメリットです。
冬場の階段移動が不要
新潟の冬は雪が多く、気温も低いため、家の中でも暖房の効いた部屋とそうでない場所との温度差が生まれます。寒い廊下を通っての移動は、特に年配の方にとって負担です。
その点、平屋は全ての生活空間が1階にまとまっているため、冬場の寒さを感じながらの移動を避けられます。
除雪の負担を軽減できる設計も可能
積雪地域において、冬季の除雪作業は大きな負担となります。その点、平屋住宅は設計の工夫次第で除雪の手間の大幅な軽減が可能です。
例えば、屋根に降り積もった雪を自然に溶かしてダクトで排水する「無落雪屋根」は、屋根からの落雪による危険や敷地内の除雪作業を、最小限に抑えることが可能です。

新潟で平屋を建てるデメリット

以下では、新潟で平屋を建てる際に知っておきたいデメリットを紹介します。
豪雪地域では雪下ろし・雪害対策が必要
新潟の冬は毎年多くの雪が降るため、建物の躯体にも負担がかかります。特に屋根に積もる雪の重みは、躯体に一定の負担をかける要因の一つです。
平屋住宅は建物自体の高さが抑えられている分、屋根にアクセスしやすく、雪下ろしを行う際の安全性や作業効率においてメリットがあります。また、建物の重心が低いため、積雪時に万が一地震が起きた場合でも、2階建てに比べて揺れを抑えられるメリットもあります。
ただし、雪が自然に滑り落ちにくい屋根形状の場合、雪が屋根に長くとどまってしまい、定期的な除雪や雪止め対策が必要になることもあります。そうしたリスクに備えるには、耐雪性能に優れた屋根材の採用や、雪の流れを考慮した屋根形状の工夫など、設計段階での対策が重要です。
広い土地が必要
平屋は生活空間がすべて1階にまとまっているため、相応の土地面積が必要です。
例えば、同じ延床面積でも2階建てならコンパクトな敷地を選べますが、平屋では倍の広さが必要になるケースもあります。特に、新潟市内のような地価の高い地域では地価の安い地域に比べて、土地取得費用が家づくり全体のコストに影響することも考えられます。

新潟で平屋を建てる際の設計ポイント

ここでは、新潟の環境に合った平屋の設計ポイントを紹介します。
屋根形状:雪を落とさない屋根で雪の処理を考慮
雪をしっかり落とすことを前提に設計された屋根(いわゆる克雪住宅)は、傾斜が急なため雪が自然に滑り落ちやすく、雪下ろしの手間を軽減できる点が特長です。ただし、その分、外観に迫力が出る一方で、デザイン性の面ではやや無骨な印象を与えることもあります。
一方、片流れ屋根はスタイリッシュで現代的なデザインが魅力ですが、傾斜が緩やかなケースが多く、実際にはあまり雪が落ちにくい面もあります。対応できる積雪量は2〜3メートル程度にとどまる場合があり、克雪住宅のように大量の雪を処理する設計とは異なります。
こうした背景もあり、近年の新潟市では「雪を落とす」のではなく、「雪を落とさないこと」を前提とした設計が主流になりつつあります。屋根の上にある程度の雪を留めておくことで、落雪による隣地や歩行者への被害を防ぎつつ、構造計算によって建物の安全性を確保するという考え方です。
見た目の美しさと実用性を両立させながら、地域の気候に適した安全・快適な住まいの実現が求められています。
玄関まわり:風除室や玄関ポーチの工夫
玄関の開け閉めのたびに冷たい空気が家の中に入り込む状況を防ぐために効果的な設備として、「風除室(ふうじょしつ)」と「玄関ポーチ」が挙げられます。
風除室とは、玄関ドアの前にもう一つ小さな空間と扉を設けることで、外気の直接的な侵入を防ぐためのスペースです。外と室内の間にワンクッションができ、寒さをやわらげる効果があります。
また、「玄関ポーチ」とは、玄関の前に張り出した屋根のあるスペースで、屋外と屋内の中間的な場所として機能します。玄関ポーチを広めに設計しておけば、服についた雪を払ったり、雪かきの道具を置いておいたりする際に便利です。
断熱性・気密性:高気密高断熱仕様、樹脂サッシ、トリプルガラスなどの設置
新潟の冬は寒さが厳しく、暖房に頼る時間が長くなりがちです。そのため、平屋でも「高気密高断熱」の設計が重要になります。高気密高断熱とは、すき間を減らして空気の出入りを少なくし、断熱材で室内の熱が逃げにくくする工法です。
また、窓まわりの工夫も欠かせません。熱の出入りが大きい窓には、外気の影響を受けにくい「樹脂サッシ」や、3枚のガラスで空気の層を作る「トリプルガラス」を使うと効果的です。これらを組み合わせると、暖かく快適で、冷暖房費も抑えられます。
床暖房・エアコン:暖房方式にもこだわると快適性UP
ただ暖房を使うだけでは、快適な室温を保つのが難しい場合もあります。そこでおすすめなのが「床暖房」と「ヒートポンプ式暖房」の導入です。
床暖房は、床そのものが温まることで足元からじんわりと熱が広がり、部屋全体をやさしく暖めてくれます。
一方、エアコンは空気中の熱を活用して効率よく室内を暖める仕組みで、省エネ性能が高く、電気代の節約にも繋がります。
収納:冬用衣類や除雪道具の収納を考えた動線設計
新潟の冬はコートやブーツ、手袋などの冬用衣類に加え、雪かき用のスコップや車の雪を落とすブラシといった除雪道具が欠かせません。
これらをすぐに取り出せる場所に収納するには、玄関まわりにクローゼットを設けたり、勝手口付近に物置スペースを確保したりするなどして、動線に合わせた収納の工夫が重要です。
必要なものを必要な場所に置けるようにすることで、家の中が散らかりにくくなり、冬の暮らしが格段に快適になります。

新潟で平屋を建てる際の注意点

平屋は暮らしやすい住まいですが、新潟をはじめとした雪国では気をつけたいポイントがあります。ここでは、知っておきたい注意点を紹介します。
雪が落ちる場所の配慮不足で玄関前が埋まる
新潟では、屋根に積もった雪が自然に落ちることを前提にした設計が欠かせません。
しかし、雪がどこに落ちるかを考えずに屋根の形や傾きを決めると、玄関や勝手口の前に大量の雪が落ちる可能性があります。その結果、出入りのたびに雪かきが必要となってしまっては面倒です。
こうした問題を防ぐには、無落雪屋根を採用したり、雪が落ちる方向を設計段階でコントロールしたりするなどの工夫が効果的です。
カーポートの設計ミスで車の出し入れが不便になる
カーポートの設計によっては、車の出し入れが不便になります。例えば、屋根の雪が車の進路に落ちると、そのたびに除雪が必要になり面倒です。また、風の吹き込みによってカーポート内に雪が入り込み、駐車中の車に雪が積もってしまうケースもあります。
こうしたトラブルを防ぐには、屋根の傾斜方向や風の流れ、出入りの動線まで考えた設計が重要です。見た目のデザインだけでなく、実際の使い勝手にも配慮することが、快適な暮らしのポイントです。
冷気が入りやすい箇所への対策
地域に適した断熱性能になっていない場合、冷たい空気が室内に入り込むと、暖房も効きにくくなります。
特に注意したいのが、窓まわりです。この箇所には、気密性と断熱性の高い建材を使うことが重要になります。特に断熱性能の低い窓は、結露の原因になったり、室内が冷え込みやすくなったりするため注意が必要です。
外構(除雪動線・通路)が設計段階で不十分
家づくりでは建物本体だけでなく、「外構計画」までを考えることが大切です。特に重要なのが、除雪しやすい動線と、玄関や駐車場から家へのアクセスルートの確保です。
通路の幅が狭かったり、雪を積んでおけるスペースがなかったりすると、毎朝の雪かきが思った以上に大きな負担になります。除雪動線が悪いと、出かける前から一苦労です。
だからこそ、設計段階で「冬をどう過ごすか」を見据え、外構の配置や形状まで計画的に設計することが、快適な暮らしに繋がります。

施工事例と間取り
以下では、ステーツの施工事例と実際の間取り図を紹介します。
事例01



面積(坪数):30.04坪
家族構成:夫婦+子供2人

こちらの30坪の平屋は、限られた敷地を有効に活用しながら、快適な暮らしを実現した住まいです。

屋根裏のデッドスペースを活かしたロフトは、収納スペースとしてはもちろん、趣味やくつろぎの時間を楽しめる多目的空間としても活用できます。

ロフトからは1階の空間全体を見渡すことができ、開放感があります。
ローコストでありながら、機能性・快適性・メンテナンス性をバランスよく備えた、内装デザインにもこだわった暮らしやすさに配慮された一邸です。
事例02



面積(坪数):31.90坪
家族構成:夫婦+子供2人

31坪のゆとりある平屋に、ロフト・ヌック・中庭など多彩な空間を取り入れた住まいの事例です。


吹き抜けとロフトが連動するリビングは、平屋でありながら上下の広がりを感じられる開放的な空間です。ロフトでくつろぐ人、ヌックで本を読む人、ソファでくつろぐ人など、それぞれが自由に過ごしながらも、家族の繋がりを感じられる空間が広がります。

明るい光が差し込む中庭とLDKが調和し、開放感とぬくもりに包まれた暮らしが実現する住まいです。

まとめ
新潟で平屋住宅を建てるには、積雪や寒さといった地域特有の気候に合わせた設計や設備の工夫が欠かせません。今回紹介したメリット・デメリット、設計のポイント、注意点を踏まえることで、冬でも快適に暮らせる平屋を実現できます。
ステーツでは、新潟の気候や敷地条件を踏まえ、お客様一人ひとりのライフスタイルに合った平屋住宅をご提案しています。ぜひお気軽にご相談ください。

